山寺のぼうずはジムニーで芝刈りへ。…というのは冗談で今日は林業の達人、知人のAさんがご多用中にも関わらず、長年整備されておられるご自身の山林を案内してくださいました。
道路沿いにある、歩いてすぐ行ける割と近場の山林とはいえ、実りの秋の季節はお熊さんの季節でもあるので、念には念を入れてそれ相応の支度を整えました。
左腰から ①熊よけ鈴 ②水筒(キャンティーンセット) ③腰鉈 ④熊よけスプレー ⑤ガスライター
一応この装備なら万が一遭難して一晩野宿したとしてもなんとか大丈夫なはず。という装備です。詳しくはまた後日紹介できれば、と思いっています。
余談…約7年ほど前、私は四国八十八箇所の野宿歩き遍路の道中、別格第7番札所 金山出石寺付近の山中で夕暮れ時に道に迷い、危うく遭難しかけたことがあります(笑)
車から降りて、シイタケ栽培の場所を抜けて森へ分け入っていく。
因みにAさんは熊よけ鈴は持っておられませんでした。理由を聞いてみると「最近の郷に降りてくる熊は人間になれていて、鈴の音を聞いて逆に近づいてくる。つい先日は子熊を見た。」とのこと…。ひえー!子熊がいるということは…。 直ぐに鈴が鳴らないようにしました(笑)そういうケースもあるんですね…。※ただし色んなケースがあると思います。
脇には綺麗な川が流れていました。
さらに奥に歩いていくと、Aさんの山林に到着。仰ぎ見たときに思わず鳥肌が立ちました。
なんと清々しい…。この場所はAさんのお父様の代から育ててこられた場所だそうです。樹齢は約50年で杉と桧の混成林。この場所は、とある森林の会の表彰を受けたとか(忘れてすみません…。行政関係だったかな)。
手入れが出来ていないといわゆる「線香林」と言って、木と木が密集しすぎて日光が不足し、風通しも悪いので木が弱りやすくなります。そして地面に日が差し込まないので、下草等が生えず、土壌が栄養不足となり、また豪雨の際は直ぐに地面が露出して土砂災害を招きやすいです。木の根も浅いので容易に地滑りが起こってしまいます。
そこで、若い木の内からある程度枝打ちや、間伐が必要となるわけです。
この林をご覧ください。ある程度空が見えて、山の斜面に木漏れ日が降り注いでいるのが分かります。下草もしっかりあって、土砂崩れしそうな、えぐれた危うい箇所はまったく見受けられませんでした。
時間があれば、もっと樹齢の有る山林をご案内下さる予定でしたが、時間の都合で残念ながらここまでとなりました。
Aさんは足腰がつよく健脚で体のバランスが美しいです。お歳のわりに随分若々しく見えます。それもそのはず、Aさんは若い頃から仕事がお休みの土日、山に入っては手入れをされ、まるで我が子のように森を育てることを生きがいにされました。
本当に素敵な時間の使い方だと思います。働きながら、いい運動になってたくましく鍛えられ、無駄のない体をつくり、心は常に清々しく、森林浴でストレス解消。こんなにも有意義で素敵なアウトドアライフがあるでしょうか。
お寺には結構広い山林がありますが、私も自分の山がほしくなりました。杉、桧だけでなくケヤキや山桜、楓、樫、他の多種多様な広葉樹等も同時に育て植生豊かな混成林などいいかもしれません。木漏れ日の中で薪割りをしたり、ハンモックキャンプなど、自分だけのプライベートキャンプ場を整備するのもいいですね。
山仕事はしんどい作業ですが、無理をしなければ本当に清々しいです。山が健康体になって植生豊かになれば、土壌の保水力が増して災害は減り、獣害もおそらく減少し、海へ豊富な山の養分が流れる。そしてなにより私たちは森から多くの事を学びます。皆様もぜひご趣味に山林の手入れはいかがですか?
田舎には高齢化で管理が出来ないので山林を逆に手放したいと考える地主もおられます。※ただし、山林を得ても自分の土地だからと常識をわきまえない行動は慎むべきだと思います。山林所有に関しても当然ながらお隣さんがおられますので。
もし、森林整備にご興味をお持ちの方は此方の書籍が図解入りでとても分かりやすく入門書としてお勧めです。「皮むき間伐」など、子供でも遊びながらできる間伐の方法が記載されており、とても面白く興味をそそられる内容です👇
補足ですが、山仕事は特に安全に気を付けなければいけません。大変危険な作業になります。特にチェーンソーや刈払機を使用する場合は事前に十分知識を得る必要があります。そのことについてや、のぼうずの山仕事、薪づくりについてはまた今後書ければと思っています。
Aさんご多用中ご案内頂きありがとうございました。
ご覧いただきありがとうございました。合掌